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生活介護とは?対象になる障害支援区分・1日の流れ・費用を親目線で解説

生活介護とは?対象になる障害支援区分・1日の流れ・費用を親目線で解説

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障害の重い子どもの卒業後の進路を調べていると、必ず出てくるのが「生活介護」です。

ただ、名前からは中身が想像しにくく、こんな疑問が残ります。

「介護って、何をしてもらえるの?」
「うちの子は対象になるの?」
「送迎やお風呂はあるの?」

先に結論をまとめます。

  • 生活介護は常時介護が必要な方が日中を過ごす場。食事・入浴・排せつの介助を受けながら、創作活動やリハビリなどを行う

  • 対象は障害支援区分3以上(50歳以上は区分2以上)。区分の認定が前提になる

  • 送迎や入浴を実施している事業所は多いが、必須ではなく事業所によって違う

  • 18歳以上は親の収入が利用料の判定に含まれないため、負担上限0円になるケースが多い

この記事では、生活介護の中身を具体的に整理し、就労継続支援B型や地域活動支援センターとの違い、事業所を選ぶときの見方まで解説します。

目次


生活介護とは

生活介護は、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスのひとつです。厚生労働省の定義では、対象を「地域や入所施設において、安定した生活を営むため、常時介護等の支援が必要な者」としています。

「介護」という名前が付いていますが、介助だけを受けて過ごす場所ではありません。食事・入浴・排せつの介助を受けながら、創作活動や生産活動、機能訓練などの日中活動を行います。

放課後等デイサービスが「学校のあと」の場所だったのに対し、生活介護は卒業後の日中そのものを過ごす場所になります。障害の重い方にとっては、卒業後の進路として最も一般的な選択肢のひとつです。


対象になるのは誰か

障害支援区分の要件

生活介護には、他のサービスにはない明確な区分の要件があります。

状況必要な障害支援区分
通所で利用する場合(50歳未満)区分3以上
通所で利用する場合(50歳以上)区分2以上
障害者支援施設に入所して利用(50歳未満)区分4以上
障害者支援施設に入所して利用(50歳以上)区分3以上

50歳以上で要件が1つ下がるのは、加齢によって支援の必要度が上がることを踏まえた扱いです。

また、施設入所支援との組み合わせを希望する方で区分が上記より低い場合でも、相談支援事業者がサービス等利用計画案を作成し、市町村が必要性を認めれば利用できるという例外規定があります。区分が足りないからと諦めず、相談支援専門員に相談してみてください。

そもそも障害支援区分とは

障害支援区分は、どれくらいの支援が必要かを表す区分で、非該当と区分1〜6の7段階があります(数字が大きいほど支援の必要度が高い)。18歳以上の方が障害福祉サービスを使う際の共通のものさしです。

区分ごとの状態の目安

最初にお断りしておくと、「区分◯=こういう状態」という公式な定義はありません。厚生労働省の定義は「これまでに当該区分と判定されるケースが最も多い状態像に相当する場合」という書き方で、過去の認定データを統計処理して決まる仕組みだからです。

そのうえで、一般的に言われているおおよその目安は次のとおりです。

区分状態のおおよその目安生活介護の利用
非該当・区分1日常生活はおおむね自立。一部に見守りや介助が必要なことがある原則対象外
区分2日常生活の一部に見守りや介助が必要。単独での外出などが難しい50歳以上なら対象
区分3入浴・排せつ・食事などに介助が必要な場面が多いここから対象(通所の場合)
区分4生活全般に介助が必要。昼夜を問わず支援が必要な場面がある対象(施設入所はここから)
区分5ほぼすべての日常生活行為に介助が必要対象
区分624時間を通じて継続的な介護が必要。意思疎通に著しい困難がある対象

あくまで目安であり、この表に当てはまるからその区分になるとは限りません。判定は下記の80項目の調査結果をもとに機械的に計算されるため、印象と違う結果が出ることもあります。

どうやって決まるのか

認定は、市区町村の調査員による訪問調査(80項目の聞き取り)と医師の意見書をもとに行われます。80項目の内訳は次のとおりです。

調査の分野項目数内容の例
移動や動作等12項目寝返り、起き上がり、座位保持、移乗、歩行、衣服の着脱など
身の回りの世話や日常生活等16項目食事、入浴、排せつ、金銭管理、買い物など
意思疎通等6項目視力、聴力、コミュニケーション、説明の理解など
行動障害34項目こだわり、多動、パニック、自傷・他害、不安定な行動など
特別な医療12項目経管栄養、たんの吸引、気管切開の処置、酸素療法、カテーテルなど

ここで注目したいのが、80項目のうち34項目が「行動障害」に関する項目だという点です。身体面の介助が少なくても、強いこだわり・パニック・自傷や他害などがある場合は、その分が区分に反映されます。「歩けるから区分は低いだろう」と決めつけないでください。

調査結果と医師意見書の一部をコンピュータで判定するのが一次判定、その結果と調査員の特記事項・医師意見書をもとに市町村審査会が判断するのが二次判定です。認定には数週間から2か月程度かかることが多いため、卒業後すぐの利用を考えているなら在学中から手続きを始める必要があります。

区分認定で親が気をつけたいこと

障害者手帳の等級と障害支援区分は別のものです。手帳が重度でも区分がそのまま高くなるとは限りません。

また、障害種別によって区分の出方に傾向の差があると言われています。身体障害のある方は生活上の支障が見えやすく区分が高めに出やすい一方、知的障害や精神障害では実際の支援の必要度に比べて区分が低く出ることがあると指摘されています。

そのため、認定調査では次の点を意識してください。

  • 「できる」ではなく「一人で安全にできるか」で答える——声かけや見守りが必要なら、それは介助が必要な状態です

  • 調子の良い日を基準にしない——普段の状態、困っている日のことを伝える

  • 行動面の困りごとを具体的に伝える——頻度(週に何回か)や、そのときどう対応しているかまで話す

  • 本人が同席していると言いにくいことがある——事前にメモを渡す、別室で話す時間をもらうなどの方法があります

  • 結果に納得できない場合は不服申立てができる——区分認定の結果には審査請求という手続きがあります


どんなことをするのか

生活介護で提供される支援は、大きく次の3つに分けられます。

1. 身体介護

  • 食事の介助

  • 入浴の介助

  • 排せつの介助

  • 移動・移乗の介助

2. 創作的活動・生産活動

  • 絵画、陶芸、編み物などの創作活動

  • 木工制作、内職作業

  • 食品の製造・販売

  • 園芸

  • 音楽鑑賞、レクリエーション

3. 身体機能・生活能力の向上のための支援

  • 機能訓練、リハビリテーション

  • 散歩や運動

  • 日常生活動作の練習

生産活動で工賃が出る事業所もありますが、就労継続支援B型のように収入を得ることが主目的ではありません。あくまで日中活動の一環という位置づけです。


1日の流れ

事業所によって異なりますが、典型的な1日は次のような流れです。

時間帯内容
送迎で到着 → 健康チェック(検温・体調確認) → 朝の会
午前入浴、個別活動、創作活動(絵画・陶芸など)や生産活動
昼食(必要に応じて食事介助)、休憩
午後レクリエーション、散歩、機能訓練・運動
夕方終わりの会 → 送迎で帰宅

終了時刻は15〜16時頃が一般的です。放課後等デイサービスが18時頃まで使えていたのと比べると早く帰ってくるため、ここが「18歳の壁」と呼ばれる問題の中心になります。親の働き方に直結する部分なので、事業所を選ぶ段階で終了時刻を必ず確認してください。


送迎・入浴・食事はあるのか

親にとって最も影響が大きい3点ですが、いずれも制度上の必須項目ではなく、事業所ごとに違います。

送迎——実施している事業所は多いですが、すべてではありません。送迎範囲(自宅まで来るのか、決められた集合場所までか)も事業所によって異なります。送迎がないと親の送り迎えが毎日発生するため、最優先で確認すべき項目です。

入浴——実施している事業所は多くありますが、回数(毎日か週数回か)や、どこまで介助してもらえるかは差があります。家庭での入浴介助の負担が大きい場合は、ここが実施されているかで生活が変わります。

食事——給食を提供する事業所と、弁当持参の事業所があります。刻み食・ペースト食などの形態対応や、経管栄養への対応が必要な場合は、対応可能かを個別に確認する必要があります。

いずれも「生活介護だから当然ある」とは考えず、見学時に一つずつ確認することが大切です。


費用はいくらかかるのか

サービス利用料は原則1割負担で、世帯の所得に応じた負担上限月額があります。

区分世帯の状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)9,300円
一般2上記以外37,200円

ここが親にとって重要なポイントです。18歳以上(施設入所の18・19歳を除く)は、世帯の範囲が「本人と配偶者」になります。つまり親の収入は判定に含まれません。

放課後等デイサービスの頃は世帯(住民票上の世帯)の所得で判定され、負担上限が4,600円や37,200円になっていた家庭でも、18歳以降は本人に収入がなければ非課税となり、負担上限が0円になるケースが多くなります。

ただしサービス利用料とは別に、実費の負担があります。

  • 昼食代(食材料費)

  • おやつ代

  • 創作活動の材料費

  • 行事・外出時の費用

金額は事業所によって異なるため、見学時に確認してください。


就労継続支援B型・地域活動支援センターとの違い

卒業後の日中活動先として並ぶ3つを比べると、次のようになります。

生活介護就労継続支援B型地域活動支援センター
主な目的介護を受けながら日中活動雇用契約を結ばずに働く社会参加・居場所づくり
身体介護あり(中心的な支援)事業所による限定的
収入基本的になし(工賃が出る事業所も)工賃が発生基本的になし
区分の要件区分3以上(50歳以上は2以上)区分の要件なし区分の要件なし
対象の目安常時介護が必要な方働くことができる方比較的軽度〜中等度

いちばん分かりやすい線引きは「身体介護が必要かどうか」です。食事・入浴・排せつに介助が必要なら生活介護が中心の選択肢になります。

また、生活介護だけが障害支援区分の要件を持っている点も重要です。B型や地域活動支援センターには区分の要件がないため、区分が出なかった場合の受け皿にもなります。


利用までの流れ

  1. 市区町村の障害福祉担当窓口・相談支援事業所に相談

  2. 障害支援区分の認定を受ける——訪問調査と医師の意見書。数週間〜2か月程度かかる

  3. サービス等利用計画案の作成——相談支援専門員が作成

  4. 見学・体験利用——複数の事業所を見る

  5. 支給決定・受給者証の交付

  6. 事業所と契約・利用開始

ポイントは2の区分認定に時間がかかることです。高等部卒業と同時に利用を始めたい場合は、高等部3年の早い時期から学校の進路担当・相談支援専門員と動き始める必要があります。


見学で確認したいこと

  • 送迎の有無と範囲——自宅まで来るか、車椅子のまま乗れる車両か

  • 終了時刻——親の働き方に直結する

  • 入浴の実施と回数

  • 食事の形態対応——刻み食・ペースト食・経管栄養への対応

  • 医療的ケアへの対応——看護師の配置、たん吸引などの実施可否

  • 職員の配置——利用者何人に対して何人か、看護師・機能訓練担当者がいるか

  • 活動の内容——本人が楽しめそうか、感覚特性に合うか

  • てんかん発作や体調急変時の対応

  • 実費の総額——昼食代・材料費など

  • 定員の空き状況

特に医療的ケアへの対応は事業所間の差が大きい部分です。必要な場合は早い段階で対応可能な事業所を把握しておきましょう。


親の生活への影響

生活介護に通うようになると、親の生活も変わります。あらかじめ想定しておきたい点を挙げます。

終了時刻が早くなる——放課後等デイが18時頃まで使えていたのに対し、生活介護は15〜16時終了が一般的です。仕事の終業時刻との差をどう埋めるかが課題になります。

長期休暇がない——学校と違い夏休み・冬休みがないため、通所自体は年間を通じて安定します。この点は親にとってプラスに働きます。

送迎の有無で負担が大きく変わる——送迎がない事業所を選ぶと、毎日の送り迎えが発生します。事業所選びの段階で、働き方とセットで考えることが大切です。

終了時刻の問題は、日中一時支援や移動支援など、地域の他のサービスと組み合わせることで対応している家庭もあります。相談支援専門員に、地域で使える組み合わせを相談してみてください。


まとめ

  • 生活介護は常時介護が必要な方が日中を過ごす場。介助を受けながら創作活動や機能訓練を行う

  • 対象は障害支援区分3以上(50歳以上は区分2以上)。区分認定に数週間〜2か月かかる

  • 送迎・入浴・食事対応は事業所ごとに違う。必須ではないので必ず個別に確認する

  • 18歳以上は親の収入が判定に含まれず、負担上限0円になるケースが多い。ただし昼食代などの実費は別

  • 終了時刻は15〜16時が一般的。親の働き方への影響を織り込んで選ぶ

区分認定に時間がかかるため、高等部3年の早い時期から動き始めるのが現実的です。

よくある質問

Q. 生活介護は障害支援区分いくつから利用できますか?

A. 通所で利用する場合は原則区分3以上、50歳以上の方は区分2以上です。障害者支援施設に入所して利用する場合は区分4以上(50歳以上は区分3以上)となります。なお区分がこれより低くても、相談支援事業者がサービス等利用計画案を作成し、市町村が必要性を認めた場合には利用できる例外規定があります。

Q. 障害支援区分1〜6はそれぞれどんな状態ですか?

A. 実は「区分◯=こういう状態」という公式な定義はなく、厚生労働省の定義は「これまでに当該区分と判定されるケースが最も多い状態像に相当する場合」という書き方になっています。一般的な目安としては、区分1が日常生活はおおむね自立、区分3で入浴・排せつ・食事などに介助が必要な場面が多い状態、区分6が24時間を通じて継続的な介護が必要な状態とされます。ただし判定は80項目の調査結果をもとに機械的に計算されるため、目安どおりの結果になるとは限りません。

Q. 障害者手帳が重度なら区分も高くなりますか?

A. 手帳の等級と障害支援区分は別のものなので、必ずしも連動しません。また80項目の調査のうち34項目が行動障害に関する項目のため、身体面の介助が少なくても、こだわりやパニック、自傷・他害などがある場合はその分が区分に反映されます。逆に知的障害や精神障害では実際の支援の必要度に比べて区分が低く出ることがあると指摘されているため、調査では「一人で安全にできるか」を基準に、困りごとの頻度まで具体的に伝えることが大切です。

Q. 送迎や入浴はありますか?

A. 実施している事業所は多いですが、制度上の必須項目ではないため事業所によって異なります。送迎の範囲(自宅までか集合場所までか)、入浴の回数、食事の形態対応(刻み食・ペースト食など)もそれぞれ差があります。見学時に一つずつ確認してください。

Q. 費用はいくらかかりますか?

A. サービス利用料は世帯の所得に応じた負担上限月額があり、市町村民税非課税なら0円、課税世帯は9,300円または37,200円です。18歳以上(施設入所の18・19歳を除く)は世帯の範囲が「本人と配偶者」となり親の収入は含まれないため、本人に収入がなければ0円になるケースが多くなります。ただし昼食代や材料費などの実費は別途かかります。

Q. 生活介護と就労継続支援B型はどう違いますか?

A. 最も分かりやすい違いは身体介護の有無です。生活介護は食事・入浴・排せつの介助が中心的な支援に含まれ、障害支援区分3以上という要件があります。就労継続支援B型は工賃を得ながら働く場で、区分の要件はありません。食事や入浴に介助が必要かどうかが、選択の目安になります。

Q. 何時に終わりますか?親は働けますか?

A. 15〜16時頃終了の事業所が一般的です。放課後等デイサービスが18時頃まで利用できていたのと比べて早くなるため、フルタイム勤務との両立が課題になります(いわゆる「18歳の壁」)。日中一時支援や移動支援など、地域の他のサービスと組み合わせて対応している家庭もあるので、相談支援専門員に相談してみてください。


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※制度・金額に関するご注意
本記事に記載の金額や制度内容は、執筆・更新時点の情報です。送迎・入浴・食事対応の有無や実費の額は事業所によって大きく異なります。金額・条件は年度やお住まいの自治体により異なる場合があります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村の窓口や利用予定の事業所でご確認ください。

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