就労継続支援A型とB型の違いは?給料・対象者・選び方を親目線で解説
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子どもの卒業後の進路を調べていると、必ず出てくるのが「就労継続支援」という言葉です。そしてすぐに、こう思います。
「A型とB型、何が違うの?」
「どっちのほうがいいの?」
「そもそも、いくらもらえるんだろう」
結論から言うと、いちばん大きな違いは雇用契約を結ぶかどうかで、そこから給料の額も働き方も変わってきます。
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A型=事業所と雇用契約を結んで働く。最低賃金が適用される。全国平均の賃金は月86,752円
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B型=雇用契約を結ばずに、体調やペースに合わせて働く。受け取るのは「工賃」。全国平均は月23,053円
金額だけ見るとA型が良さそうに見えますが、A型は「雇用契約を結んで継続的に働けること」が前提なので、誰でも選べるわけではありません。
この記事では、A型とB型の違いを給料・対象者・働き方の面から整理し、子どもの進路としてどう考えればいいかまでまとめます。
目次
- 一番の違いは「雇用契約を結ぶかどうか」
- A型・B型の違い早わかり表
- 給料はいくらもらえるのか
- 対象になるのはどんな人か
- 仕事の内容と働き方
- 利用料はかかるのか
- どちらを選ぶかの考え方
- 手当や年金との関係
- 見学で確認したいこと
- まとめ
- よくある質問
一番の違いは「雇用契約を結ぶかどうか」
就労継続支援は、一般企業で働くことが難しい方が、福祉サービスを利用しながら働くための制度です。A型とB型はどちらも障害者総合支援法にもとづくサービスですが、決定的に違うのが雇用契約の有無です。
A型は雇用契約を結びます。つまり法律上は「労働者」です。労働基準法や最低賃金法が適用されるため、都道府県ごとの最低賃金を下回る額にはなりません。その代わり、決められた時間に決められた日数、継続して働けることが前提になります。
B型は雇用契約を結びません。労働者ではないため最低賃金の適用もなく、受け取るのは給料ではなく「工賃」と呼ばれます。その代わり働く時間や日数の自由度が高く、体調に波がある場合でも続けやすいのが特徴です。
「A型が上位でB型が下位」という関係ではありません。本人の体調の安定度と、どれだけ収入が必要かのバランスで選ぶものと考えるほうが実情に合っています。
A型・B型の違い早わかり表
| 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
|---|---|---|
| 雇用契約 | 結ぶ(労働者として働く) | 結ばない |
| 受け取るお金 | 賃金(給料) | 工賃 |
| 最低賃金 | 適用される | 適用されない |
| 全国平均額(月) | 86,752円 | 23,053円 |
| 働く時間・日数 | 決められた時間・日数で継続的に | 体調に合わせて調整しやすい |
| 対象 | 雇用契約にもとづき継続的に就労できる方 | 就労経験があるが雇用が難しい方、一定年齢に達している方など |
| 年齢 | 原則18歳以上65歳未満 | 原則18歳以上(上限の定めは緩やか) |
| 利用期間 | 制限なし | 制限なし |
| 雇用保険・社会保険 | 労働時間に応じて加入対象になる | 対象外 |
※平均額はいずれも令和5年度の全国平均です(厚生労働省)。
給料はいくらもらえるのか
A型の賃金
令和5年度の全国平均賃金は月額86,752円です。最低賃金が適用されるため時給水準は保たれますが、1日の労働時間が4〜6時間程度と短めの事業所が多いため、月額では10万円前後にとどまるのが一般的です。
B型の工賃
令和5年度の全国平均工賃は月額23,053円です。作業内容や利用日数によって幅が大きく、月数千円というケースもあれば、工賃向上に力を入れて3万円を超える事業所もあります。
金額を見るときの注意点
B型の平均工賃は、令和5年度に前年度から約6,000円増えています。ただしこれは工賃そのものが急に上がったというより、算定方法が変わった影響が大きいとされています。令和5年度から、平均工賃月額を計算する際の分母が「工賃支払対象者数」から「1日あたりの平均利用者数」に変更されました。利用日数が少ない方を多く受け入れている事業所が不利にならないようにするための見直しです。
そのため、過去の数字と単純に比較しないよう注意が必要です。また、平均はあくまで全国平均で、地域差・事業所差が非常に大きい項目です。見学時にその事業所の実際の工賃額を必ず確認してください。
対象になるのはどんな人か
A型の対象
厚生労働省の定義では、「企業等に就労することが困難な者であって、雇用契約に基づき、継続的に就労することが可能な者」とされています。
ポイントは後半です。一般企業では難しくても、雇用契約を結んで継続的に働ける状態であることが求められます。具体例としては、就労移行支援を利用したものの企業雇用に結びつかなかった方などが挙げられています。
B型の対象
同じく厚生労働省の定義では、「就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される者」とされています。
特別支援学校を卒業してすぐB型を利用する場合、自治体によっては就労移行支援でのアセスメント(就労能力の評価)を受けることが求められることがあります。この手続きに時間がかかるため、在学中から相談しておくことが大切です。
年齢の条件
どちらも障害者総合支援法にもとづくサービスのため、原則18歳以上(高等部卒業後)が対象です。
A型には原則65歳未満という上限があります。ただし平成30年4月以降は、65歳になる前の5年以上障害福祉サービスの支給決定を受けていて、65歳になる前日にA型の支給決定を受けていた場合など、要件を満たせば65歳以降も継続して利用できるようになっています。
仕事の内容と働き方
実際の作業内容は事業所によってさまざまですが、よくあるものを挙げると次のとおりです。
A型に多い仕事
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カフェ・飲食店のホールや調理補助
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パソコンを使ったデータ入力
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清掃、施設管理
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倉庫内でのピッキング・梱包
B型に多い仕事
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部品の組み立て、袋詰めなどの軽作業
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パンやお菓子の製造・販売
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農作業
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清掃、リサイクル作業
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手芸品などの製作
働き方の違いも重要です。A型は「決まった日に決まった時間働く」ことが前提なので、体調に波があると継続が難しくなることがあります。一方B型は「今日は2時間だけ」「今週は週2回」といった調整がしやすいのが強みです。
利用料はかかるのか
就労継続支援は障害福祉サービスなので、原則1割の自己負担があり、世帯の所得に応じて負担上限月額が決まっています。18歳以上の場合は次のとおりです。
| 区分 | 世帯の状況 | 負担上限月額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
ここで親にとって重要なポイントがあります。18歳以上(施設入所の18・19歳を除く)は、世帯の範囲が「本人と配偶者」になります。つまり親の収入は判定に含まれません。本人に収入がなければ市町村民税非課税となり、負担上限は0円になるケースが多くなります。
ただし別途、昼食代や作業に伴う実費が必要な事業所もあります。金額は自治体・事業所によって異なるため、必ず窓口と事業所で確認してください。
どちらを選ぶかの考え方
金額だけで決めると、うまくいかないことがあります。判断材料として次の3点を見てください。
1. 体調・通所の安定度
決まった曜日・時間に継続して通えるかどうかが、A型を選べるかの実質的な分かれ目です。無理にA型を選んで続かなくなるより、B型で安定して通うほうが本人にとって良い場合があります。
2. 必要な収入の額
障害基礎年金と合わせていくら必要かを考えます。B型の工賃だけで生活費をまかなうのは現実的ではないため、年金・手当と組み合わせた総額で考えるのが実際的です。
3. 変更できることを前提にする
A型・B型はどちらも利用期間に制限がなく、あとから変えることもできます。B型で慣れてからA型に移る方も、A型が合わずB型に移る方もいます。「一度決めたら終わり」ではないので、まずは本人が通い続けられる形から始めるのが現実的です。
そもそも「働くこと自体がまだ難しい」段階であれば、日中の居場所である地域活動支援センターから始める選択肢もあります。
手当や年金との関係
A型で働いて収入を得た場合、障害基礎年金が止まるのではないかと心配される方がいます。
20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限がありますが、A型の平均賃金水準(月86,752円=年間約104万円)であれば、通常は所得制限に触れる水準ではありません。ただし所得制限の基準額や、他の収入との合算によって判断が変わるため、実際の金額でご確認ください。障害基礎年金のしくみは別記事で詳しく解説しています。
また、A型で一定の労働時間を満たすと雇用保険や社会保険の加入対象になります。将来の年金額に関わる部分なので、事業所に加入条件を確認しておくとよいでしょう。
見学で確認したいこと
事業所ごとの差が非常に大きいサービスです。パンフレットの平均額だけで判断せず、次の点を確認してください。
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その事業所の実際の賃金・工賃額——全国平均ではなく、その事業所の直近の実績
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作業内容——本人が興味を持てるか、感覚特性に合うか(音・においなど)
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1日の労働時間と日数——A型は特に、続けられる設定か
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体調が悪い日の扱い——欠勤・早退への対応、A型は雇用契約上どうなるか
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送迎の有無——通所手段が確保できるか
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昼食の提供と費用
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支援員の人数と関わり方——困ったときに相談できる体制か
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A型の場合は経営の安定性——A型事業所は過去に経営難による閉鎖・解雇が問題になった例があります。事業の継続性も確認したいポイントです
まとめ
就労継続支援A型とB型の違いを整理すると、次のとおりです。
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最大の違いは雇用契約の有無。A型は労働者として働き最低賃金が適用される
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全国平均はA型86,752円・B型23,053円(令和5年度)。ただし事業所差が大きい
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A型は継続的に働けることが前提。金額だけで選ばず体調の安定度で判断する
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どちらも利用期間に制限がなく、あとから変更もできる
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18歳以上は世帯の範囲が本人と配偶者のため、親の収入は利用料判定に含まれない
卒業後すぐに決めなければならないものではありません。在学中から見学を重ねて、本人が通い続けられる場所を探していきましょう。
よくある質問
Q. A型とB型の一番の違いは何ですか?
A. 雇用契約を結ぶかどうかです。A型は事業所と雇用契約を結ぶため労働者として扱われ、最低賃金が適用されます。B型は雇用契約を結ばず、受け取るのは「工賃」で最低賃金の適用はありません。その代わりB型は働く時間や日数の調整がしやすく、体調に波がある場合でも続けやすいという特徴があります。
Q. 就労継続支援ではいくらもらえますか?
A. 厚生労働省が公表している令和5年度の全国平均は、A型が月額86,752円、B型が月額23,053円です。ただし事業所や地域による差が非常に大きく、B型は月数千円のところもあります。また令和5年度から平均工賃の算定方法が変わっているため、過去の数字との単純比較はできません。見学時にその事業所の実績額を確認してください。
Q. 何歳から利用できますか?
A. どちらも障害者総合支援法にもとづくサービスのため、原則18歳以上(高等部卒業後)が対象です。A型には原則65歳未満という上限がありますが、平成30年4月以降は、65歳になる前の5年以上障害福祉サービスの支給決定を受けているなど一定の要件を満たせば、65歳以降も継続利用できます。
Q. 利用料の判定に親の収入は影響しますか?
A. 18歳以上(施設入所の18・19歳を除く)は世帯の範囲が「本人と配偶者」となるため、親の収入は含まれません。本人に収入がなければ市町村民税非課税となり、負担上限月額が0円になるケースが多くなります。ただし判定は自治体が行うため、詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
Q. あとからA型とB型を変えることはできますか?
A. できます。どちらも利用期間に制限がなく、B型で慣れてからA型に移る方も、A型が合わずB型に移る方もいます。変更には受給者証の手続きが必要になるため、相談支援専門員に相談しながら進めてください。
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出典・参考(公式サイト)
※制度・金額に関するご注意
本記事に記載の金額や制度内容は、執筆・更新時点の情報です。賃金・工賃の全国平均は令和5年度の実績で、事業所や地域による差が非常に大きい数値です。金額・条件は年度やお住まいの自治体により異なる場合があります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村の窓口や利用予定の事業所でご確認ください。