(更新: )

障害児のいる家庭の車選び|乗せ降ろし・車種・減免まで完全ガイド

障害児のいる家庭の車選び|乗せ降ろし・車種・減免まで完全ガイド

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれる場合があります。


障害のある子を育てていると、車は「あると便利なもの」ではなく生活インフラになります。通院、療育、放課後等デイの送迎、公共交通機関が使えない日の移動——車がないと成り立たない予定が、毎週いくつもあるという家庭は多いはずです。

それなのに、車のカタログにも販売店のトークにも、「障害のある子を毎日乗せ降ろしする家庭が、どこを見て選べばいいか」はほとんど書かれていません。燃費、荷室の広さ、安全装備——どれも大事ですが、私たちが最初に見るべきはそこではないと思っています。

この記事では、乗せ降ろしのしやすさを起点にした車選びの考え方を、車種タイプの比較、福祉車両と消費税非課税の条件、そして自動車税の減免など「知らないと損をするお金の制度」まで通しで整理します。

わが家は乗せ降ろしのしやすさを最優先してスライドドアの車を選び、自動車税の減免と駐車に関する制度も利用しています。そのうえで「もっと早く知っておけばよかった」と思った点も書いていきます。

1分でわかる・登録不要

車の減免、対象になっていませんか?

お住まいの地域と手帳の等級を選ぶだけで、自動車税の減免や有料道路割引など、対象になりそうな制度の目安がまとめてわかります(全国対応)。

1分でチェックする →


車選びは「乗せ降ろし」から考える

障害児家庭の車選びが一般の車選びと決定的に違うのは、「運転している時間」より「乗せ降ろししている時間」のほうが体にこたえるという点です。

通院と療育で週に何往復もすれば、乗せ降ろしは月に数十回、年に数百回になります。1回あたり10秒の違い、腰にかかる負担のわずかな違いが、そのまま親の体力を削っていきます。

そして、ここが最大のポイントですが——

💡子どもは必ず大きくなります。今は抱き上げて乗せられても、体重が20kg、30kgと増えたときに同じことができるでしょうか。車は5年、10年と乗るものなので、「今の体格」ではなく「次に買い替えるまでの体格」で選ぶ必要があります。

燃費が年間2万円違うことより、10年間、腰を痛めずに乗せ降ろしできるかどうかのほうが、結果的にはるかに大きな差になります。


先に決めておきたい3つの軸

販売店に行く前に、この3つだけ決めておくと迷いません。

軸①:乗せ降ろしの方法はどれになるか

今の状態 優先すべきこと
抱き上げて乗せる ドア開口部の高さと広さ/床の低さ(フロア高)/腰をかがめる量
自分で乗り込めるが不安定 手すり(アシストグリップ)の位置/ステップの高さ/足元の広さ
車椅子を使っている スロープやリフトの有無/固定装置/車椅子ごと乗る空間の高さ
座位が安定しない 姿勢を支える用具を取り付けられるか/シートの形状とベルトの位置

軸②:どこで乗せ降ろしするか

意外と見落とされるのが自宅の駐車場と、行き先の駐車場の広さです。

大きな車は室内が広くて快適ですが、隣の車との間隔が狭い駐車場ではドアを大きく開けられません。結果として、広い車を買ったのに乗せ降ろしはむしろ大変になった、ということが起こります。

候補の車を、実際にいつも停める場所に置いたところを想像してみてください。車幅とドアの開き方は、カタログの数字より現場の条件で決まります。

軸③:何人乗るか、荷物はどれだけ積むか

バギー・車椅子・姿勢保持の用具・着替え・おむつ——障害児家庭は荷物が多くなりがちです。「3列目を使うと荷室がほぼゼロ」という車は、きょうだいがいる家庭では現実的でないことがあります。

試乗のときは、いつも積んでいるバギーを実際に持っていって積んでみるのがいちばん確実です。


ドアの形で何が変わるか|スライドドアという答え

わが家が車を選ぶときにいちばん重視したのが、後席のドアの形でした。結論として、スライドドアの車を選んでいます。

というのも、以前はヒンジドアの車に乗っていて、駐車場の枠が狭いところだと乗り降りができないことがあったからです。ドアが十分に開かず、子どもを乗せられない。結局いったん車を移動させるか、広い枠が空くのを待つしかありませんでした。この一点が、買い替えを決めた理由です。

ヒンジドア(前に開く一般的なドア) スライドドア
開けるのに必要な横のスペース 広く必要。狭いと半分しか開かない ほぼ不要。狭くても全開できる
開口部の広さ ドアの角度に左右される 大きく開き、体を入れやすい
隣の車にぶつける心配 ある ない
子どもが自分で開けたとき 勢いよく開いて危険なことがある 横に動くので事故になりにくい
両手がふさがっているとき 手で押さえながら開ける必要がある 電動なら手を使わず開けられる

とくに効いてくるのが「両手がふさがっている場面」です。子どもを抱えている、荷物を持っている、雨の日に傘をさしている——そういうときにボタンひとつ、あるいはキーの操作だけでドアが開くのは、想像以上に助かります。

もうひとつ、狭い駐車場でも全開できるという点も大きいです。病院やスーパーの駐車場は、必ずしも広いところに停められるとは限りません。ヒンジドアだと「ドアが半分しか開かず、子どもを乗せられない」という状況が起こりえます。

⚠️スライドドアにも弱点はあります。電動スライドドアは開閉に数秒かかるため、急いでいるときはもどかしく感じます。また構造が複雑なぶん、故障したときの修理費はヒンジドアより高くつきます。中古で買うときは、実際に何度か開け閉めして、動きが引っかからないか確認しておくと安心です。


車種タイプ別の比較|軽からミニバンまで

スライドドアを条件にすると、選択肢は大きく次の4タイプに絞られます。

タイプ 主な車種 強み 弱み 向いている家庭
軽のスーパーハイトワゴン
(スライドドア付きの軽)
タント、N-BOX など 維持費が安い/狭い道と駐車場に強い/室内高が意外と高い 4人乗り/荷室が狭い/長距離は疲れやすい 近距離の送迎が中心/駐車場が狭い/子どもがまだ小さい
コンパクトミニバン シエンタ、フリード など 取り回しがよく室内も確保できる/燃費も比較的よい/3列シートが選べる 3列目を使うと荷室が小さい/後席の冷房が効きにくい きょうだいがいて、街乗りが中心/2台目として持つ場合
Lサイズミニバン ノア/ヴォクシー、ステップワゴン など 圧倒的に広い/床が低い車種もあり乗せ降ろしがラク/将来の体格にも対応 車体が大きく駐車場を選ぶ/購入費・維持費が高い 体格が大きくなる見通し/長距離の通院がある/用具が多い
福祉車両(ウェルキャブなど) タント、ノア/ヴォクシー などをベースにした架装車 スロープ・リフト・回転シートなど乗降専用の装備/条件により消費税が非課税 選べる車種が限られる/価格が高め/中古の流通が少ない 車椅子を使っている/抱き上げが難しくなってきた

わが家が軽ではなく、コンパクトミニバンを選んだ理由

わが家はLサイズミニバンとコンパクトミニバンの2台体制です。2台目を検討するとき、当然ながら軽のスーパーハイトワゴンも候補に挙がりました。

それでも選ばなかったのは、バギーを載せると車内がかなり狭くなってしまったからです。軽は室内高があるので「思ったより広い」と感じるのですが、バギーという大きな荷物がひとつ入るだけで、人の乗るスペースが一気に圧迫されます。

ここは実際に積んでみないとわからない部分です。カタログの荷室寸法ではなく、自分のバギーを持ち込んで積んでみてください。数字上は入っても、その状態で人が乗れるかどうかは別の話です。

意外と見るべきなのは「フロア高(床の高さ)」

カタログでは目立ちませんが、乗せ降ろしのラクさを決めるのは地面から車の床までの高さです。

同じミニバンでも車種によってこの高さはかなり違い、床が低い車は「抱き上げて持ち上げる」ではなく「腰の高さでスライドさせる」動きで乗せられます。体重が増えてきたときの差はここに出ます。

試乗のときは、走らせる前に必ず「実際に子どもを乗せ降ろしする動作」をやらせてもらってください。運転感覚より、この10秒のほうが10年間に効いてきます。


福祉車両という選択肢と、消費税が非課税になる条件

各メーカーは福祉車両(トヨタのウェルキャブ、ホンダの車いす仕様車、ダイハツのフレンドシップシリーズなど)を用意しています。障害児家庭に関係が深いのは、主に次のタイプです。

タイプ どんなもの 向いている状況
スロープタイプ 後部にスロープを出し、車椅子ごと乗り込む 車椅子を日常的に使う/介助者が押して乗せられる
リフトタイプ 電動リフトで車椅子ごと持ち上げる 車椅子が重い/坂道での押し上げが難しい
回転・昇降シート 助手席や2列目のシートが回転して外に出てくる 車椅子ではないが、座席への移動が大変
運転補助装置付き 手だけで運転できる装置などを備えたもの 障害のある本人が運転する場合

消費税が非課税になる場合と、ならない場合

福祉車両の大きなメリットのひとつが消費税の非課税です。ただし「福祉車両ならすべて非課税」ではありません。ここは誤解が多いところです。

国税庁の説明では、身体障害者用物品に該当する自動車として非課税になるのは、大きく次の2つです。

  • 身体に障害のある人が運転できるよう、その状態に応じた補助手段(手動装置など)が講じられている自動車
  • 車椅子などの昇降装置を備え、車椅子を固定する手段が施されている自動車

つまり回転シートだけの車など、上の条件に当たらない仕様は非課税にならないことがあります。「福祉車両だから安くなるはず」と思い込まず、見積書で消費税がどう扱われているかを必ず確認してください。

⚠️買う順番にも注意が必要です。いったん普通の車を買ってから後で改造した場合、非課税になるのは改造代金の部分だけで、最初の車両購入には消費税がかかります。一方、最初から改造込みで製作を依頼する(委託改造)場合は、全体が非課税として扱われます。改造を予定しているなら、購入前に販売店と税務の扱いを相談しておくほうが有利になることがあります。

福祉車両を選ぶときに見ておきたいところ

  • スロープの角度:急だと、介助者ひとりで押し上げるのがかなりきつくなります
  • 車椅子を乗せたときの室内高:座ったまま頭がつかえないか。成長分の余裕も見ておく
  • ほかの席がどれだけ残るか:きょうだいや祖父母が同乗できる構成になっているか
  • 車椅子を使わない日の使い勝手:ふだんの買い物や旅行でも無理なく使えるか
  • 実車を見られる場所:福祉機器の展示会や、メーカーの福祉車両専門店で実物を確認できます

座る姿勢を支える用具については、車載用の品目が制度としても整理されています。あわせてご覧ください。


車で使えるお金の制度まとめ

障害のある子がいる家庭は、車に関して使える制度がいくつもあります。わが家も自動車税の減免と、駐車に関する制度を利用しています。知らずに払い続けている方が本当に多いので、ここは必ず確認してください。

制度 内容 窓口
自動車税(種別割)の減免 毎年かかる自動車税が減免される。手帳の種別・等級で対象が決まる 都道府県の県税事務所
環境性能割の減免 車を購入するときにかかる税が減免される 同上(購入時に申請)
有料道路の障害者割引 高速道路の通行料が割引になる。ETCでも利用可 市区町村の福祉窓口
駐車禁止除外指定車標章 条件を満たすと、駐車禁止の場所に停められる場合がある 警察署
障害者等用駐車区画の利用証 車椅子マークの駐車区画を利用するための証(パーキング・パーミット制度) 都道府県などの担当課
公共駐車場の減免 手帳の提示で駐車料金が無料・割引になる施設がある 各施設
自動車改造費の助成 車の改造費用を助成する制度。本人が運転する場合に限る自治体が多い 市区町村の福祉窓口

⚠️環境性能割の減免は、購入時にしか申請できません。あとから「実は対象だった」と気づいても取り返しがつかない制度です。車を買うと決めたら、契約する前にお住まいの県税事務所へ確認してください。販売店が教えてくれるとは限りません。

ショッピングモールの「ゲート式」駐車場は、事前登録で使えます

意外と知られていないのが、これです。

大型のショッピングモールでは、障害のある方などのための駐車エリアがゲートで管理されていて、一般の車が入れないようになっていることがあります。「入れないエリア」だと思って素通りしている方も多いのですが、多くの場合は事前に登録すれば使えます。

登録のしかたは施設によって違いますが、おおむね次のような形です。

  • 施設のインフォメーションカウンターで申し込む
  • 持ち物は「対象であることを証明できるもの」と「登録する車の車検証」
  • 登録すると、車のナンバーで自動認証されるタイプや、ゲート開閉用のカード・リモコンを貸してもらえるタイプがあります
  • 1枚の証明書で複数台まとめて登録できる施設もあります(2台体制の家庭はここを確認)

証明としては、身体障害者手帳のほか、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳、特定医療費の受給者証などが使える施設もあります。手帳アプリの「ミライロID」に対応している施設も増えています。

💡登録はその施設に行った日に、その場でできることがほとんどです。よく行くモールがあるなら、次に行ったときに一度カウンターで聞いてみてください。対象の範囲や必要書類は施設ごとに違うので、公式サイトの案内を先に見ておくとスムーズです。

それぞれの詳しい条件と申請方法は、こちらの記事にまとめています。

減免があると、選べる車種の幅も変わる

自動車税は排気量によって金額が変わります。減免には上限額が定められていることが多く、その範囲内なら税負担がゼロになるケースもあります。

つまり「税金が高いから大きい車は無理」とあきらめていた家庭が、減免を前提にすると選択肢を広げられることがあるということです。乗せ降ろしのしやすい大きめの車を検討するなら、この点は先に調べておく価値があります。


車が2台ある家庭で気づいたこと

わが家はLサイズミニバンを送迎のメインに使い、もう1台としてコンパクトミニバンを持っています。この体制で実際に気づいたことを書きます。

まずぶつかったのは「用具が1台分しかない」問題

姿勢を支える用具やチャイルドシートの類は、基本的に1台の車に取り付けたままになります。そのため、もう1台で出かけようとすると付け替えが必要になり、これが地味に面倒なのです。急いでいる日ほど「今日はこっちの車じゃないと出られない」という制約が効いてきます。

  • 2台体制なら、メインで送迎する車を先に決めてから車種を選ぶ。両方に用具を付ける前提だと費用が二重にかかります
  • 取り外しが簡単な用具を選ぶと、選択の自由度が上がる。取り付け方式は購入前に確認しておく価値があります

2台目は「メインが使えない日」を想定して選んだ

わが家が2台目を決めるときに考えたのは、メインのミニバンが故障したり車検に入ったりして使えないときに、そのまま送迎を代われるかということでした。

これができると、次の2つが手に入ります。

  • 代車を借りなくて済む。子どもを乗せる車を、その場しのぎの代車にしなくてよくなります
  • 買い替えのときに、じっくり選ぶ時間が確保できる。「明日から乗る車がない」という状態に追い込まれずに済みます

この考え方にしておいてよかったと実感したのが、子どもがルームランプのスイッチをいじって常時点灯になり、バッテリーが上がってしまったときです。朝、メインの車が動かない。それでももう1台のコンパクトミニバンで、その日の予定をそのまま回せました。1台きりだったら、通院も送迎も止まっていたと思います。

2台目にコンパクトミニバンの「7人乗り(3列シート)」をすすめる理由

ここは、あまり語られていないけれど知っておく価値があるポイントです。

子どもを乗せ降ろしするとき、介助する側の体も車の中に入り込めるほうが、圧倒的にラクです。外から中腰で手を伸ばすのと、車内に体を入れて作業するのとでは、腰への負担がまったく違います。

3列シートの車なら、こんな使い方ができます。

💡2列目のシートを畳んで、子どもを3列目に乗せる。すると子どもの前に大きな空間ができるので、そこに体を入れて乗せ降ろしができます。

2列シートの車では、この空間が作れません。3列あることの価値は、7人乗れることよりも「シートを畳んで空間を作れること」にある——2台目を選ぶときは、この視点で見てみてください。

そしてもうひとつ、地味ですが効いてくるメリットがあります。子どもを乗せない日は、チャイルドシートや姿勢保持の椅子を3列目に置いたままにできることです。

2列シートの車だと、用具は必ず2列目を占領します。すると大人だけで乗るときも、そのたびに外すか、狭いまま使うかを選ぶことになります。3列あれば用具は3列目に置きっぱなしにできるので、2列目はいつもどおり普通に使えます。

取り付け・取り外しの手間がかからないという意味でも、前の章で書いた「用具が1台分しかない」問題をやわらげてくれます。

ただし、毎日この方法でやるのはさすがにきついです。乗り込む手間がかかりますし、3列目までの移動もあります。たまに使う2台目だからこそ成立する使い方だと思っています。

コンパクトミニバンのデメリット|後ろまで冷房が効かない

すすめておいて何ですが、デメリットもはっきりあります。コンパクトミニバンはクーラーの効きが弱く、後部座席、とくに荷室に近いあたりが冷えにくいのです。

3列目に子どもを乗せる使い方をするなら、ここは無視できません。真夏は熱中症への配慮が必要です。

  • 乗せる前に窓を開けて熱気を逃がしてから冷房をかける
  • 後席用のサーキュレーターやファンで、前の冷気を後ろへ送る
  • 真夏は3列目に長く座らせない。2列目に戻す判断も持っておく
  • 意思表示が難しいお子さんは、暑くても伝えられないことを前提にこまめに様子を見る

⚠️体温調節が苦手なお子さんは、本人が訴える前に体温が上がってしまうことがあります。「静かにしているから大丈夫」と考えず、車内では定期的に触れて確認してください。


買ったあとにかかるお金をどう抑えるか

車は買って終わりではありません。障害児家庭は通院と送迎で走行距離が伸びやすく、そのぶん維持費もかさみます。

走行距離が伸びる家庭ほど、タイヤ代が効いてくる

毎週の通院・療育・送迎を続けていると、タイヤの摩耗は想像より早く進みます。4本まとめての交換は数万円単位の出費になり、しかも数年おきに必ずやってきます。

ここは「どこで買うか」を変えるだけで金額がはっきり変わる部分です。ディーラーやカー用品店の店頭価格しか見ていないなら、工賃や廃タイヤ料まで含めた総額を先に出して比べてみると差がわかります。

PR

タイヤフッド(TIREHOOD)

送迎で距離が伸びる家庭ほど、タイヤ代は数年おきの固定費になります。サイズを入れるだけで、工賃・廃タイヤ料まで含んだ総額と近くの取付店の空き枠がまとめて出ます。

タイヤフッド

タイヤの総額と取付店を調べる →

自動車保険は「使い方」に合わせて見直す

送迎が中心の家庭は、年間走行距離・使用目的・運転者の範囲が一般家庭と違うことがあります。契約したときのまま何年も更新している場合、実態と合わずに損をしていることがあります。


新車か中古か

障害児家庭の場合、それぞれにはっきりした利点があります。

新車 中古車
装備の選択 両側電動スライドドアなど必要な装備を選べる あるものから選ぶ。希望装備の車を探す手間がかかる
福祉車両 仕様を指定して注文できる 流通量が少なく、選択肢が限られる
費用 高い 同じ予算でワンランク上の車格を狙える
故障リスク 低い。保証も手厚い 電動スライドドアなど可動部の状態確認が必須
納期 数か月待つことがある すぐ乗れる

個人的にお伝えしたいのは、中古で選ぶなら電動スライドドアの動作確認だけは絶対に省かないでほしいということです。ここが壊れると、この記事で最優先に挙げた「乗せ降ろしのラクさ」がまるごと失われます。


よくある質問

Q. 車椅子を使っていなければ、福祉車両でなくても大丈夫ですか?

A. 多くの場合は大丈夫です。福祉車両が必要になるのは、主に車椅子に乗ったまま乗車する場合や、座席への移乗が難しい場合です。歩ける・座れるお子さんであれば、スライドドアで床の低い一般車のほうが、日常の使い勝手も費用も現実的なことが少なくありません。ただし体格の変化で状況が変わるため、次の買い替えまでの見通しで考えてください。

Q. 自動車税の減免は、親名義の車でも対象になりますか?

A. 障害のある方が18歳未満の場合、生計を同じくする方が所有し運転する車も対象になる扱いが一般的です。ただし対象となる手帳の種別・等級、台数、用途の条件は都道府県ごとに定められています。お住まいの県税事務所で必ず確認してください。詳しい条件は自動車税の減免の記事でも解説しています。

Q. 福祉車両を買えば、消費税は全部かかりませんか?

A. いいえ。非課税になるのは、身体障害者用物品に該当する一定の要件を満たした自動車に限られます。仕様によっては課税されるため、見積書で消費税の扱いを確認してください。また、普通の車を買ってから後で改造した場合は、非課税になるのは改造代金の部分だけです。

Q. 軽自動車では狭くて無理でしょうか?

A. 一概には言えません。スライドドア付きの軽(スーパーハイトワゴン)は室内高が確保されていて、近距離の送迎が中心で駐車場が狭い家庭にはむしろ扱いやすいことがあります。判断のポイントは、荷物の量と、きょうだいを含めた乗車人数、そして将来の体格です。

Q. 試乗のときは何を見ればいいですか?

A. 走りより乗せ降ろしの動作を優先してください。おすすめは、①ふだん使っているバギーや車椅子を持ち込んで積んでみる、②実際に子どもを乗せ降ろしさせてもらう、③狭い場所を想定してドアの開き方を確認する、の3つです。可能なら、いつも停めている駐車場と同じくらいの幅で試させてもらうと現実に近い判断ができます。


おわりに

障害児家庭の車選びは、燃費でもデザインでもなく、「この先10年、無理なく子どもを乗せ降ろしできるか」という一点から考えるとぶれません。

この記事の要点をまとめます。

  • 乗せ降ろしの回数は年に数百回。ここのラクさが体力を決める
  • スライドドアは、狭い駐車場でも両手がふさがっていても開けられる
  • 床の低さ(フロア高)は、体重が増えたときに効いてくる
  • 福祉車両でも消費税が必ず非課税になるわけではない。見積書で確認する
  • 環境性能割の減免は購入時しか申請できない。契約前に県税事務所へ

そして最後にもうひとつ。試乗では必ず「乗せ降ろし」をやらせてもらってください。販売店では走行性能の説明が中心になりがちですが、私たちが毎日向き合うのはその10秒のほうです。

※制度・金額に関するご注意
本記事に記載の制度内容や税の取り扱いは、執筆・更新時点の情報です。条件は年度やお住まいの自治体・都道府県により異なる場合があり、消費税の扱いは車両の仕様や購入方法によって変わります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村・県税事務所の窓口や公式サイト、販売店でご確認ください。


おすすめ関連記事

目的から探す