「残業なし」で働ける?障害児を育てる親が知っておきたい育児・介護休業法の活用術

知って得する福祉制度ガイド


障害のあるお子さんを育てながら働く日々。
仕事と家庭の両立は、想像以上に大変ですよね。
「残業が多くて子どものケアができない」「職場に迷惑をかけてしまう」——そんな悩みから、退職を考えてしまう方も少なくありません。

でも実は、退職せずに働き続ける方法があります。
それが「育児・介護休業法」を活用することです。


育児・介護休業法とは?

育児・介護休業法は、子育てや介護をしながらでも働き続けられるようにするための法律です。
申請をすれば、残業の免除短時間勤務など、柔軟な働き方を選ぶことができます。

特に障害児を育てている家庭では、突発的な通院や療育の付き添いなどが多いため、制度を上手に使うことで心身の負担を大きく減らせます。


障害児の親が使える主な制度5つ

1. 残業免除(所定外労働の免除)

申請すれば、会社は原則として残業を命じることができなくなります
つまり「今日は療育の日だから早く帰る」「夕方に子どもの通院がある」——そうした事情にも対応できるのです。

たとえ職場が忙しくても、免除が認められている従業員に残業を命じることは違法です。
安心して申請して大丈夫です。

 

残業免除請求は原則認められますが、「事業の正常な運営を妨げる」場合は会社が拒否できる例外が設けられています。ただし、その判断は厳密で、単なる業務都合や慣例的な理由は認められません。​


2. 育児・介護休業

一般的には子どもが1歳まで取得できますが、障害や体調の問題がある場合は1歳半〜2歳まで延長可能です。
介護休業も家族1人につき通算93日まで、3回に分けて取得可能です。

お子さんの手術や長期入院など、どうしても休みが必要な時に活用できる大切な制度です。


3. 短時間勤務制度

小学校就学前の子どもや、介護が必要な家族がいる場合は、1日の勤務時間を短くできる制度です(例:6時間勤務など)。

職場復帰後も利用できるため、「フルタイムに戻すのが不安」という方にぴったりです。


4. 時間外労働の制限

「月24時間」「年150時間」を超える残業を拒否できる制度です。
申請すれば、家庭の事情を優先して働くことができます。

 

時間外労働の制限は原則認められますが、「事業の正常な運営を妨げる」場合は会社が拒否できる例外が設けられています。ただし、その判断は厳密で、単なる業務都合や慣例的な理由は認められません。​


5. 深夜業の制限

午後10時~午前5時の深夜勤務を免除してもらうことができます。
夜間のケアが必要なお子さんを持つ家庭には、特にありがたい制度です。


よくある質問:「忙しい時期に、仕事を増やされたらどうなる?」

会社側が繁忙期などで仕事量を増やした場合でも、残業免除を申請している従業員に残業を命じることはできません。
これは法律でしっかり守られています。

もし「みんな残ってるから、少しだけ手伝って」と言われたとしても、強制はできません。
例外が認められるのは「事業の正常な運営が著しく妨げられる」など、非常に限定的な場合だけです。


退職を考える前に、「制度を使う」という選択を

「迷惑をかけるくらいなら辞めた方がいい」と思ってしまう気持ち、よくわかります。
でも、**制度を使うのは“権利”**です。
あなたが働きやすくなることで、家族も安定し、結果的に社会も支えられます。

まずは、会社の人事や上司、労働組合などに相談してみましょう。
厚生労働省の公式サイトや地域の就労支援NPOでも、申請のサポートが受けられます。


まとめ:辞める前に、できることを知ろう

障害児を育てながら働く親にとって、仕事と家庭の両立はたやすくありません。
でも、「育児・介護休業法」を活用すれば、無理をせずに働き続けることができます。

  • 残業免除を申請できる

  • 短時間勤務や休業も取れる

  • 深夜勤務を避けられる

退職は、最後の手段にしてほしい。
まずは一度、「制度を知る」ことから始めてみてください。

なお、所定労働時間の免除や時間外労働の制限は制度として存在しますが、前提として与えられた勤務時間の中でしっかりと成果を出し、周囲の信頼を得ることが何より大切です。
信頼を積み重ねることで、職場に理解を得ながら安心して制度を活用しやすくなります。